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RI内用療法センター

放射性核種(radioisotope:RI)を内服や静注で体内に投与し、様々ながんやバセドウ病の治療を行う手法は、RI内用療法と総称されます。RI内用療法では、病巣部にRIをできるだけ選択的に分布させ、RIから発生するβ線やα線を用いて効率的に治療効果を得るよう工夫がなされています。当院・放射線治療科は、以前よりRI内用療法の経験が豊富でしたが、放射性ヨウ素(I-131)やラジウム(Ra-223)を用いる旧来の治療に加え、ペプチド受容体放射性核種療法(peptide receptor radionuclide treatment:PRRT)という最新の治療をこの度導入、本年より治療を開始しています。

放射線治療では、これまで高エネルギーX線を用いる強度変調放射線療法、定位的放射線治療や陽子線、重粒子線、BNCTを用いる粒子線治療といった治療法が注目されてきましたが、ゲノム医療(分子標的治療)とRI内用療法が合体したPRRTや放射性リガンド療法(radioligand therapy:RLT、近日中に導入予定)が今後どんどん発展し、がん治療の中心の一つとなるものと予想されます。PRRTやRLTは、我々が若い頃夢想した放射線治療を具現化したものと言え、本当に画期的な治療法です。我々は、PRRT導入を契機として、当院・がん診療センター内に新たにRI内用療法センターを開設し、これら治療の普及を図っていきたいと考えています。

1.バセドウ病の放射性ヨウ素(I-131)内用療法

国内で広く用いられる抗甲状腺薬で副作⽤が発現、あるいは効果が不⼗分なバセドウ病の患者さんには、I-131内⽤療法を加えます。自己抗体の刺激でヨード摂取が異常に亢進した甲状腺の細胞に、取り込まれたI-131が発するβ線がダメージを与えます。提示症例では、治療後1年経過した時点で、び漫性甲状腺腫を示した甲状腺重量が1/3以下と減少、亢進を示していた甲状腺機能は正常化しました。心悸亢進、振戦、異常発汗、不安感などの症状も消失し、社会生活に完全復帰しました。

CT volumetryを用い経時的変化をみた。甲状腺組織の比重を1とした。

2.甲状腺癌の術後アブレーション(I-131療法)

甲状腺癌を有する患者さんでは、甲状腺全摘を行った後にも画像診断では確認できない顕微鏡的潜在病巣がしばしば残存します。このため、再発予防としてI-131内用療法を加え、残存がん細胞を死滅させます。提示症例では、術前にみられたがん病巣を摘除後、CT画像では明らかな残存を指摘できなかったものの、I-131甲状腺シンチグラフィーでは摘除部位(甲状腺床と呼びます)に明らかなI-131の集積がみられ癌の残存が強く疑われます。取り込まれたI-131が発するβ線は、残存癌細胞に強力なダメージを与えます。本例では、その後再発を見ていません。

術前CT(画像a)では、甲状腺右葉に周囲組織に浸潤するがん病巣を認めます(赤丸○)。術後CT(画像b)では、画像上はっきりしたがん病巣残存を指摘できません。しかし、I-131甲状腺シンチグラム(画像c)では、甲状腺床(甲状腺摘除部位)に強い集積(スター状の黒い陰影を伴う中心部の黒い部分)がみられ、癌の残存が強く疑われます。集積したI-131が、そのまま抗がん作用を持つ治療薬となります。

3.去勢抵抗性前立腺癌多発性骨転移に対するRa-223(ゾーフィゴ)内用療法

未治療の前立腺がんにはホルモン療法がよく奏功します。しかし、それも時間経過と共に効果が弱まりホルモン療法に抵抗性となります(去勢抵抗性と言います)。過去の治療例では、この去勢抵抗性となった多発性骨転移を有する前立腺癌の治療は悲惨なものでした。高度の疼痛や病的骨折のリスクがある転移巣などに対しては、高エネルギーX線・外照射を用いて対処しましたが、病巣が多い場合などには治療に限界がありました。これに一石を投じたのが、Ra-223(ゾーフィゴ)内用療法です。この治療は、前立腺癌骨転移に侵された病巣部に選択性を以て集積し、放出されるα線が病巣部にダメージを与え病状の改善をもたらします。残念ながら対象は骨転移巣のみで他臓器には無効ですが、前立腺癌の転移部位の主体が骨であることから、臨床的には非常に有用性の高い治療です。当科には、八戸圏域のみならず下北地方など遠隔の地域からも治療依頼があり、絶対数が多い去勢抵抗性前立腺癌多発性骨転移の治療選択肢として広く活用されています。

4、5回目投与時には全体的な集積低下が明らか。投与後3~4日後のイメージングでほぼリアルタイムに分かる。

4.高分化型神経内分泌腫瘍に対するペプチド受容体放射性核種療法

高分化型神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:NET)の腫瘍細胞表面には、ソマトスタチン受容体が多く発現し、ソマトスタチン類似物質にβ線核種Lu-177を標識した薬剤であるルタテラ(商品名、Novartis社)は、受容体に結合したのち細胞に取り込まれ、細胞にダメージを与え抗腫瘍効果を発揮します。詳細は別サイトをご参照ください。


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