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うみねこ通信 No.329 令和8年11月号

転倒を防ぐためにできること
~日常生活の中で気をつけたいこと~

看護師長補佐 小池 静

「転ぶ」と聞くと、段差につまずいたり、足がもつれたりする場面を思い浮かべるかもしれません。しかし、転倒は特別な場面だけで起こるものではありません。立ち上がるときや歩き始め、夜中にトイレへ行くときなど、普段の生活の中でも転びやすい場面を3つ紹介します。
 
①立ち上がる時
ベッドや椅子などから立ち上がるとき、ふらついたり、思ったように足に力が入らなかったりすることがあります。特に、長い時間座っていたあとや寝起きなどは注意が必要です。立ち上がったらすぐに歩き出さず、一度その場で立ち止まり、ふらつきがないことを確認してから歩き始めましょう。

②歩き始めるとき
「歩けるから大丈夫」と思っていても、体調や疲れなどによって、いつもと同じように体が動かないことがあります。急いで方向を変えたり、何かを持ちながら歩いたりすることも、バランスを崩す原因になります。歩き始めの一歩も気をつけましょう。普段から杖などを使用している方は、すぐ手に取れる場所に置いておくことも大切です。

③夜中に動くとき
寝ているところから起きてすぐに動くことや、周囲が暗く足元が見えにくいことも転倒に影響します。特にトイレに行きたいときは、「間に合わないかもしれない」と焦ってしまうことがあります。急いで起き上がり、そのまま歩き始めると、ふらついたときに対応できないこともあります。まずベッドや布団のそばで一度座り、ゆっくり立ち上がることを意識してみてください。

転倒すると、打撲やけがだけでなく、骨折などによって、それまでできていた日常生活が難しくなることもあります。今まで転んだことが無いからといって、これからも大丈夫とは限りません。
転倒を防ぐためには、生活する環境を整えておくことも大切です。床に物を置かない、電気コードや敷物など足を引っかけやすいものがないか確認する、夜間に移動する場所には明かりをつけるなど、身近なところからできることがあります。また、脱げやすいスリッパなどは避け、自分の足に合った履物を選ぶことも転倒予防につながります。
そして、転びにくい体を作ることも転倒予防の一つです。年齢を重ねると、筋力やバランスを保つ力、視力などが少しずつ変化していきます。無理のない範囲で体を動かし、筋力やバランスを保つことが大切です。自宅でできる運動には、椅子や安定したものにつかまって行う、踵の上げ下げやつま先上げ、椅子を使ったスクワットなどがあります。毎日の生活の中で、無理なく続けられる運動を取り入れてみましょう。


転倒を防ぐために、特別なことを始める必要はありません。慌てずに動くこと、身のまわりの環境を整えること、そして無理のない範囲で体を動かすこと。日頃からできることを少しずつ続けて、転倒を予防していきましょう。
 

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