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うみねこ通信 No.318 令和7年12月号

安全な入院のために「薬編」

薬剤部長 外岡 久和

入院は、患者さんにとって大きな転機です。治療や検査、手術などが予定される中で、見落とされがちなのが「お薬」に関する情報です。実は、入院時に持参されたお薬が原因で起こるインシデント(ヒヤリ・ハット)やアクシデント(事故)は少なくありません。今回は、入院時の薬にまつわる注意点や、調剤薬局・薬剤師が果たす役割についてご紹介します。
 
入院時の持参薬で起きるインシデント
患者さんが普段服用している薬を正確に把握することは、安全な入院医療の第一歩です。しかし、実際には以下のような問題が起こることがあります。
〇薬の名前や用法が不明確:お薬手帳を持参していない、あるいは記載が古い場合、正確な情報が得られず、処方の重複や中止すべき薬の継続などが起こる可能性があります。
〇市販薬やサプリメントの申告漏れ:患者さんが「薬ではない」と思って申告しないことがありますが、これらが手術や検査に影響を与えることもあります。
〇他院での処方薬の把握不足:複数の医療機関を受診している場合、薬の重複や相互作用のリスクが高まります。
これらのインシデントを防ぐためには、患者さん自身が「薬の情報を正確に伝える」意識を持っていただくことが大切です。
 
検査や手術のための休薬
一部の薬は、検査や手術の前に中止が必要です。たとえば、抗血栓薬(血をサラサラにする薬)は、出血リスクを高めるため、事前に休薬の指示が出されることがあります。糖尿病治療薬の一部は、造影剤を使う検査の前に中止が必要です。しかし、自己判断で薬を中止するのは非常に危険です。必ず医師の指示に従いましょう。
令和4年11月号で手術前中止薬についてまとめていますのでご参照ください。調剤薬局では、休薬の説明やスケジュール管理なども行っています。
 
調剤薬局ができること
地域の調剤薬局は、患者さんの薬の情報を一元的に管理し、医療機関と連携する重要な役割を担っています。具体的には以下のような支援が可能です。
〇お薬手帳の記載と管理:最新の処方内容を記録し、患者さんがいつでも提示できるようサポートします。
〇服薬状況の確認:飲み忘れや副作用の有無を確認し、必要に応じて医師に情報提供します。
〇休薬の相談:検査や手術前に中止すべき薬について、医療機関と連携して調整を行います。
〇入院持参薬の準備:入院時に持参する薬を1回ごとにまとめるお手伝いをしてもらえます。複数の医療機関から薬を処方されている方は、是非、利用してみてください。
 
健康サポート薬局の役割
「健康サポート薬局」は、地域住民の健康を支える拠点として、厚生労働省が認定する薬局です。薬の相談や管理だけでなく、健康相談や在宅医療、介護に関する情報提供など、幅広い支援を行っている頼れる存在です。八戸市内にも複数の認定薬局があります。八戸市薬剤師会のホームページをご覧いただくと薬局ごとの機能が確認いただけます。
 
お薬手帳と電子処方箋の重要性
 お薬手帳は、すべての医療機関・薬局での薬の記録を一元化するツールです。入院や救急受診の際に提示することで、医療者が迅速かつ正確に薬の情報を把握できます。
さらに、2023年から本格運用が始まった「電子処方箋」は、薬の情報をオンラインで共有できる仕組みです。これにより、紙の処方箋がなくても、全国どこの薬局でも処方内容を確認できるようになりました。電子処方箋とお薬手帳を併用することで、より安全で効率的な医療が実現します。
 
まとめ
入院時の薬の情報は、患者さんの命を守る大切な情報です。お薬手帳の持参、調剤薬局との連携、休薬の確認など、日頃からの備えが安全な医療につながります。ご自身やご家族が入院される際には、ぜひ「薬の情報」にも目を向けてみてください。
 

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