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うみねこ通信 No.260 令和3年2月号

脳ドックと脳動脈瘤

健康診断部長 日向 豪史

脳ドックをご存知ですか?
簡単に言うと、現在の脳の状態や血管の具合を確認する検査です。脳にかかわるいくつかの病気の発症や進行を未然に防ぐ意味があります。
脳ドックの検査のメインは、MRI装置で脳の断層写真(頭部MRI検査)と脳血管の写真(頭部MRA検査)を撮ることです。もちろん、検査の前には、問診や身長、体重、血圧測定等を行います。
さらに、動脈硬化判定のための頸動脈超音波検査、不整脈を調べる心電図、血糖やコレステロールなどの血液検査を追加して行う場合があります。
脳ドックでは、どんなことがわかるのでしょうか?
未破裂脳動脈瘤(破裂していない脳の血管のコブ)、脳腫瘍、脳卒中の既往、症状のない脳梗塞、脳の萎縮等が分かります。
「認知症はどうでしょうか?」と、ときどき聞かれます。
通常のMRI等の画像での脳の萎縮だけでは、認知症の診断はできません。認知症の診断には、質問形式の検査や専門医による診察が必要です。
脳ドックで、脳の血管のコブ=脳動脈瘤が、偶然見つかることがあります。その脳動脈瘤がもし破裂すると、どうなるでしょう。「くも膜下出血」という病気が、突然発症します。
くも膜下出血は、命を落としかねない危険な病気です。一命をとりとめたとしても、体に麻痺や言語障害などの後遺症を残すことがあります。
脳ドックで、未破裂の脳動脈瘤がある人が動脈瘤を発見できる確率は90%以上と言われています。動脈瘤を発見するためには、脳ドックはかなり有効な手段です。
もし、脳動脈瘤が疑われた場合、どうしたら良いでしょうか?
脳CTアンギオグラフィーという精密検査を行います。ヨード造影剤を使用して脳血管を描出する検査です。負担が少なく、より精度の高い、動脈瘤の診断ができます。その画像をもとに、脳神経外科医が破裂リスクを判断し、経過観察ないしは治療すべきか判断します。
脳ドッグを受けたほうが良い人は?脳ドック
40歳以上でまだ一度も脳ドックを受診したことがない方や、糖尿病・高血圧・脂質異常症・動脈硬化などの診断を受けている方は、一度脳ドックを受けることをおすすめします。
また、家族や血縁者に脳卒中になった人がいる方、飲酒、喫煙の習慣がある方にも検査をおすすめします。
実際に脳ドックを受診する場合、簡易脳ドック(MRI検査と問診と診察)で1時間前後です。総合脳ドックでは、複数の検査を組み合わせて行うため、2時間ほどかかるでしょう。脳ドックの費用はおよそ2~5万円が相場です。コースの検査内容や医療機関によって費用は異なります。
脳ドック、特にMRI検査にあたってはいくつか注意点があります。体内に金属が入っている場合、ペースメーカーが装着されている場合などで、受検できないケースもあります。検査を受ける前には、検査が可能かどうか確認しておきましょう。
 

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