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うみねこ通信 No.283 令和5年1月号

新年のごあいさつ

院長 玉澤 直樹

新年あけましておめでとうございます。平素より、当院へのご協力・ご支援に厚くお礼申し上げます。

当院は本年も「やさしくあたたかい病院」という当院の理念を職員全員が心にとどめ、地域の皆様から信頼される医療を提供して参ります。今後の日本の人口動態すなわち少子高齢化を中身とする人口減少、そして今後予想される医療需要の低下を基に全国で地域医療構想が議論されています。

人口減少が県内で最も穏やかであります八戸圏域の医療を見据えながら、当院は高度急性期(HCU)から回復期(地域包括ケア病棟)まで切れ目の無い、コンパクトながら急性期ケアミックス型の病院として、この地域の医療に貢献していけるように対応していきたいと考えています。当院の診療の4本柱であります「がん診療」、「生活習慣病」、「整形外科分野」、「泌尿器科分野」を強みに、各関連診療科の特徴を発揮して参ります。その他にも労災病院として、①介護施設との連携強化、②政策医療(アスベスト健診、じん肺検診、がんや糖尿病の「治療と就労の両立支援」等)、③産業保健活動、④未病対策(お気軽検査や乳がん検診等)についても引き続き尽力して参ります。

新型コロナウイルス感染症に対して、さまざまな感染対策(ユニバーサルマスクキング、手指消毒、3密の回避、換気など)を実践し、ワクチン接種、発熱者外来、新型コロナ感染症患者の外来・入院加療(中和抗体・抗ウイルス薬・免疫抑制薬免疫調整薬の投与)などの対応を行ってまいりました。今年もウイズコロナ対策を見据えながら、県健康福祉部・八戸市保健所・八戸市民病院、八戸赤十字病院等のご指導・ご協力をいただきながらコロナ対策に貢献して参ります。

皆様にとりまして本年がより健やかで、楽しい年となりますよう祈念しまして、年頭のご挨拶といたします。

心電図検査で何が分かるの?

中央検査部 工藤 恵美

【心電図検査とは】

心電図とは、心臓が拍動(縮む・拡がる)する時に生じる微弱な電気信号を、皮膚の上から記録したものです。病院での診察や健康診断の際に、採血検査やレントゲン検査と並んで広く利用されています。心電図には様々な種類がありますが、一般的によく行われるのが、ベッド上に仰向けになった状態で検査する安静時心電図です。胸と両手足に電極をつけ、1度に12種類の心電図波形を記録します。通常は1、2分以内で検査が終了し、大きな負担(痛み、放射線被ばく、時間的拘束など)をかけることがありません。すぐに波形記録を確認でき、得られる情報量が多い検査ですが、心臓の状態や病気のことを全て診断できるわけではなく、症状や結果によっては、更に詳細な検査が必要となります。

【心臓の「異常」と心電図の「異常」】

心電図には、「正常」となる基本の波形があり、それに当てはまらなければ「異常」と判定されます。しかし、正常波形ならば大丈夫、異常波形なら心臓に何らかの病気がある、という訳ではありません。心臓に特別異常がなくても、正常とはやや異なる電気興奮により、心電図に異常波形が記録されることがあります。このとき、心臓の基本的な働き(拍動リズム、全身に血液を送るポンプ機能など)は正常であれば、「問題なし」「経過観察」という診断となることがあります(例:軸偏位、時計回転、右脚ブロックなど)。心臓疾患がある例では、拍動リズムが乱れた異常波形が記録されると不整脈の診断となります。心筋梗塞や狭心症発作のときは、心臓の電気的活動に異常が生じるので異常波形が出現します。心筋症という心筋に障害が起きている疾患でも異常波形が記録されます。このような場合は、異常波形から心臓疾患を疑うことができます。一方で、心臓に「異常」があっても、検査時の心電図は「正常」と判定される例があります。狭心症や不整脈などで、発作時の異常波形が記録できない場合です。血液の逆流を防ぐ弁の働きが悪い弁膜症の状態でも、軽症であると心電図が正常波形となることがあります。心臓発作が起きたときや、弁膜症が重症化している場合は、心電図異常をとらえることができます。

【心臓の「異常」を詳しく調べるためには】

発作時の心電図を記録する場合は、運動負荷心電図や24時間心電図(ホルター心電図)といった特殊な心電図検査が有用です。心臓の形態やポンプ機能を確認するためには、心臓超音波検査(心エコー)を行います。また、狭心症や心筋梗塞を疑うときは、冠動脈CT検査や心筋シンチグラフィー、心臓カテーテル検査などが確定診断や治療法の決定に必要となります。

心臓の検査で一番初めに行うのが心電図検査です。検査時に異常を指摘されても特に問題がない場合や、自覚症状がなくても重篤な疾患が隠れている可能性があります。健診などで要精密検査と指摘された場合や、検査結果が心配なときは、早めの専門医療機関への受診をお勧めします。

 

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