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うみねこ通信 No.213 平成29年3月号

放射線の歴史と現状

中央放射線部長 八重樫 勝弘

私たちはふだんから宇宙や大地、食べ物、空気中などにある放射線に囲まれて生活をしています。なじみの深いX線も放射線のひとつで、1895年11月ドイツのレントゲン博士によって偶然発見されました。この時には未知の放射線だったことからこの放射線をX線と名付けられました。

レントゲン博士と世界で初めて撮影されたレントゲン博士の夫人の手のレントゲン写真

東日本大震災の原発事故以来、放射線について『怖い』というイメージを持つ方も多いと思われます。しかし放射線以上に私たちの健康を害する要因は沢山あります。身のまわりにある放射線による危険度は、日常の生活環境での多くの危険因子と比較しても決して高いものではありません。

放射線の危険度の程度【日本国内】

※私たちの周りに存在するさまざまな健康阻害リスクを寿命の短縮におきかえて比較

健康阻害リスク 余命損失日数の平均値
喫煙 2208日  
肥満 1412日  
飲酒 77日  
大気汚染 26日  
自然放射線 12日  

東京工業大学、日本原子力発電会社 共同研究実施報告書より

これらのリスクを全て排除することはなかなかできませんが、上手に付き合っていく事でリスク低減も可能となってきます。

現在、放射線は工業、農業、医療など様々な分野で必要不可欠となっています。放射線は使い方を間違えたり、事故などが起きると多大な損害や危険をもたらすことがあります。放射線の利用にあたっては、正しく理解し安全に使用していくという事が大切となってきます。医療の分野では放射線は厳しい法律のもとに、しっかりとした管理を行いながら利用しています。当院中央放射線部でも安全で安心して検査を受けていただけるように、様々な装置で放射線を利用して検査を行い、より精度の高い検査結果を画像化(可視化)し病気の発見や治療に寄与しています。

今回、X線を使った検査のひとつである骨密度検査についてご紹介いたします。

【骨密度検査について】

寝たきりの原因となる骨折に関係の深い病気のひとつに「骨粗しょう症」があります。「骨粗しょう症」とは、骨のカルシウムが減少し、骨がもろくなって骨折などを起こす病気です。原因としては、老化やホルモン量の低下、運動不足などが言われています。より精度の高い検査を行うために当院では、X線の透過率を測定する装置を利用して、タンパク質、カルシウム、リンなどのミネラル(骨塩)を測定して診断に役立てています。検査に際しては、数分間寝ていただくだけで痛みなどもなく、わずかな放射線を使用して測定します。当院では毎月第2、4木曜日午後に予約制で整形外科にて骨密度外来を開設しています。

レントゲン博士と世界で初めて撮影されたレントゲン博士の夫人の手のレントゲン写真

世界でも有数の長寿国となったことで超高齢化社会となりつつある今、健康で質の高い老後を末永く過ごせるように定期的に検査をしてみませんか?

 
 

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